体には、腰から下の脚の部分と、腰から上の胸、肩、そして両腕、その上の首と頭で構成されています。変わった分け方だと思われるでしょうが、私のイメージを表現するときにはこのような分け方で考えています。
ロッドを振る場合には、からだのねじり戻しを生かす事により、大きな振り幅を作り出します。頭上に振りかぶって振り下ろすオーバーヘッドのキャストでは、硬いロッドを使い力に頼った投げ方でなければ、なかなか遠くへは投げられません、ただし、セーフティースローの選手のようにすごく遠くヘ投げられる人もいますが、このような投げ方では実際の釣りにはあまり向いてはいないようです。長い仕掛けは使えませんし、餌の傷みかたもひどくなります。しかし安全ではありますので仕掛けや状況によっては良く使われるかも知れません。(オーバーヘッドキャストとセーフティースローとでは基本的には違う投法になります、セーフティースローはスリークオーターの変形であり、オーバーヘッドとは違います、間違えない様にして下さい。ただ真直ぐに振っているだけが同じなのですから。)
体のねじりは、下から上へねじりを戻していくことが基本になります、戻すという事は最初いっぱいにねじられていると言う事になります、ではねじりはいつねじられるのか、スリークオーターでは構えたときには最大にねじった状態になります、後は解いていくだけです、膝を回して前方ヘ向けその上の腰を又前方へと向けていきます。回転投法の場合は、上半身の動きと下半身の動きの差によりねじりが生まれます。ステップによる下半身の動きの方が上半身より早いため、結果として上半身が遅れて来てねじりが生まれます。ゴルフのトップのような状態が出来るとあとは一気に振っていけます。胸、肩、腕と順に一気に振るとスムーズにロッドが曲がりトラブルの無いキャスティングが行なえます。
下半身の動きで最も大切な事は腰から回すよりも、膝を回して腰を引っ張った方が腰は安定してまわるようです。
V字投法やスリークオーターのときは、腰が安定してまわってくれれば上半身はスムーズについてきます、上半身は最初からねじられていますのでそのまま下半身についてきて、今度は胸、肩を振って(回して)いきます、肩を回したら最後に腕を思いっきり振っていきます、特に腕は「最後まで腕が伸びきるように」振り込みます、まるでパンチを打ち込むように。
特に素振りのときは完全に腕が伸びきるところをリリースポイントと考えて振ることが大切でしょう。そうでないと実際にオモリを乗せて振るときには、急に大きな負荷がかかって来るため、考えているリリースポイントより早くリリースされてしまいます。なるべく遅くリリースするためにはイメージを最も遅くにもっていったほうが良いようです。
身体の動きを論じる場合には、身体の動きには「パワーはありますが、スピードはいまいち」です。腕の場合には「スピードは速く振れますがパワーは身体の動きの方が勝っています」。ロッドを振るときのように、徐々に加速をしていかなければならないときは、身体の動きで徐々にスピードを上げていって、後半を腕の振りでマキシムのスピードに持っていく事が理想です。加速が最も重要になります。
このときに、下半身、上半身と2段階に動作すると言う事ではないので注意して下さい、あくまでスムーズに動く事はとても大事な事です。